2026.02.24
F社の賞与計算業務 Interview 馬場祐未さん

今回は、数万人の従業員数を誇る某大手企業F社の賞与計算業務を担当された馬場祐未さんへ当時の苦労や業務を進行していく中での工夫についてお話しいただきました。

PROFILE
馬場祐未さん
千葉大学 法学部卒
2010年 4月新卒として入社
社労士法人HALZグループ
(株)HALZ 取締役
入社早々、ベンチャー企業、外資企業の人事部門に出向常駐し、人事労務業務をサポートする。
現在は社労士業務サポート担当の責任者として5000名企業を筆頭に中規模企業を複数チームリーダーとして給与計算及び人事労務に関する給付申請業務オペレーションを担当。
Q1、はじめにF社の賞与計算を担当した経緯について教えてください。
A:受託期間は、2012年から2019年までで当初は橋本COOが担当されていました。初めて大規模な賞与計算を受託した為、先方にヒアリングして要件定義を行い、Access(マイクロソフト社が提供するデータベース管理ソフト)を利用してチェックするという一連の流れを整備することに尽力されたと聞いています。半期賞与という半年に1回実施する業務だったのですが、何年か行う中でマニュアルが完成し手順が固まった所で私が引き継ぎました。
*COO:Chief Operating Officer(最高執行責任者)の略称
Q2、担当された業務の概要について教えてください。
A:支給対象期間と支給日が決まっていて、その前の1か月間でデータをいただいてAccessを使って計算しエクセルのデータで納品しました。
Q3、担当される中でF社に対してはどういうイメージを持たれていましたか?
A:誰もが知っている大きい会社だなというイメージをもっていました。また、万単位の人数を対象とする作業は担当した経験がなかった為、大変そうだなという印象ももっていました。
Q4、担当する会社の規模の大きさをプレッシャーに感じることはありましたか?
A:小さい企業なら何か問題が生じた時に社長と顔見知りであれば直接話して解決できることもありますが、大企業は会社設立から長い年数を経ていることや上場している等のことが多く、契約書に則った損害賠償や社内のコンプライアンスもあるので、厳しい対応に迫られるケースを想定し業務に当たっていました。
Q5、実際に難しい対応を迫られたことはありましたか?
A:特に難しいと感じるようなことはありませんでしたが、賞与を支給する対象者が確定するのは納期直前なので、時間的余裕がないことが業務の難易度を上げていたようには思います。
Q6、業務を進行する中での工夫や苦労はありましたか?
A:マニュアルの存在が大きかったように思っています。毎月のことであれば覚えられますが、半年に1回だと以前どうしていたかを忘れてしまう為、記録を残すことが重要になります。
前任者がしっかりとしたマニュアルを残していた為、引き継いでからも内容の更新を漏れなく反映し処理しながらメンテナンス更新をしたことが工夫でありポイントです。
正直に言うと細かな間違いはあったのですが、それも文章化しておくことで再発を防止する為のチェックリストととして機能させることができました。

スピーチを行う馬場さん。
先日の朝礼の際にも本業務におけるマニュアルの重要性について語られていた。
Q7、引き継いだマニュアルのどういった所が特に良かったように思われますか?
A:業務を進行しながら経験を反映して作成されている点が最も良かったように思っています。
全てを理解している人が作ると当然なことや前提となることを書かないことがありますが、理解していない人にとっては分かりません。
しかし、このマニュアルは分からないからこうしようというような視点で作られていて、引き継いだ時点から読んでなるほどと分かりました。それでも分からないこともありましたが、その時は分からない視点を基に情報を追加しました。
Q8、給与計算や賞与計算を行う際に最も心掛けていることは何ですか?
A:基本的には間違いなく正確に納品することが最も重要です。その為に何をしたら良いかを意識しています。過去の事例を参考にしながら同じ間違いを犯さないように気を付けて業務に当たっています。
Q9、今回の経験を他社の給与計算や賞与計算を行う際に応用できたことはありましたか?
A:全体像から説明する形でマニュアルを構成することの重要性を感じました。最初にソフトの使い方を説明する人も多いのですが、略称の説明やスケジュール、計算ルール等の前提条件やデータ納品のルールから始めている点が作りとして分かりやすく重要だと思いました。今もマニュアルを作成する際や引継ぎを行う際には全体像から話すようにしています。
また、データの取り扱いに関しても対象者数が多い場合は、データを上手く作っておかないとチェックする際の工数が2倍、3倍になってしまいます。その為チェック漏れがないように空白の有無や大文字と小文字の混在、括弧の付け方に気を付けて可能な限り文言を統一しました。データの絞り込みやグルーピングを容易に行えるようにしたことで、漏れなくチェックできるデータを作ることができました。データの扱い方次第で作業効率が大きく変わるので、他の方が大きいデータを扱う際にもこのようにしてほしいと思っています。
編集後記
これまで部活動を紹介する社内報を作成してきたこともあり、賞与計算というテーマを提示された際には思わず身構えてしまいましたが、知識が乏しい私へ一般的な視点を交えて分かりやすくお話しいただけた為、異なる環境で規模が大きい業務に携わる際にも共通するように考えながら聞くことができました。業務を引き継ぐことを意識したデータの作り方や工夫に関しても直ぐに実践していきたく思いました。社内報を通じて、今後も皆様から様々な経験についてお話を聞けることを願っています。
HALZ 木村 光


