2026.09.02
【AIM1グランプリ銀賞インタビュー】
ーAIを「鍛える道具」にー
ベテラン社労士原⽥弘美さんが挑んだ
ロープレトレーニングシステム開発の裏側
社内で大きな盛り上がりを見せた「AIM1グランプリ」。今回見事『銀賞』に輝いたのは、労務相談規定推進プロジェクトリーダーを務める原田弘美さんです!
プログラミング未経験でありながら、AIエージェント(Claude Code)を活用して「社労士のトレーニングシステム」を開発した原田さん。受賞の感想から、ツールの着想理由、そしてAI時代における「社労士と人間力」について、たっぷりお話を伺いました

インタビュ-Q&A
Q.銀賞受賞の率直な感想をお聞かせください。
A.正直、本当に驚いています。Claude Codeに初めて触れたのが3月の合宿でしたし、プログラミング知識もない中で1からグランプリに出せるクオリティのものが作れるか不安でした。目指していた完成形にはまだ届いていない段階だったので、受賞できたので本当に驚きました。

Q.今回作成されたツールは、どのような課題意識から生まれたのでしょうか?
A.私は労務相談規定推進プロジェクトのリーダーを務めており、今期の目標の1つに「AIの活用と実践力強化の両立」がありました。 今の時代、AIにテキストで質問すればすぐに答えが返ってきて非常に便利ですが、その反面「AIが普及すると自分で考えなくなるのではないか」という危機感を持っていました。実際に、電話や対面で突然クライアントから相談を受けた際、その場で自分の頭で考えられないケースも出てきていました。
そこで「AIに答えを出させるのではなく、あえて人間を鍛える道具として使う」という発想で、対話型のトレーニングシステムを作りました。


Q.開発に使った「Claude Code」や、作成過程について教えてください。
A.3月のAI合宿は、初日の前半に座学を行い、後半からは各自で試行錯誤しながらClaude Codeでアプリ作成に取り組み、夜遅くまで直して翌日に発表するという、めちゃくちゃハードなスケジュールでした(笑)。でも、そこで初めて「AIエージェントってこんなことに使えるんだ」と学びました。
その経験があったので、全く初めての方に比べるとスタートのハードルは少し低かったかもしれませんが、実際に一人でゼロから作るとなると、エラーが出ては止まり、また試しての繰り返しでした。
それでも開発では、コードは全く書いていません!専門知識がない素人の私でも、対話しながら動くシステムが作れたことに一番驚きました。
Q.ツール作成において、特にこだわったポイントや苦労した点は何ですか?
A.AIが作るものが何でも正解というわけではなく、問題文と評価回答が噛み合わなくなることもありました。 そこで、同じチームのベテラン社労士のスタッフにも協力してもらい、何度もテストプレイを重ねました。「実際の労務相談でここまでの回答は不要」「もっとこういう点を聞いた方がいい」といった修正指示をAIに入れ、往復作業を繰り返すことで、ベテラン社労士の経験をもとにした評価基準をAIに学習させていきました。
Q.AI M-1グランプリを通して、どのような気づきや学びがありましたか?
A.「イメージの限界を超える」という体験ができました。最初は「この業務を効率化したい」というゴールからスタートするのですが、実際使ってみると「これができるなら前の段階もできるんじゃないか?」「そもそも違うアプローチの方が効率的では?」と、イメージやゴールがどんどん膨らんでいくんです。 また、AIに指示を出し、評価基準をチューニングしていくプロセスの中で、自分自身の業務や課題への理解もより深まったと感じています。
Q.AIによって今後の仕事はどう変わり、人間には何が求められると思いますか?
A.調べる、まとめる、整理するといった作業はAIが担い、私たちはより本質的な「判断」「対話」「関係構築」に集中できるようになると思います。 労務相談で言えば、法令確認や書類作成はAIに任せ、直接訪問して雰囲気を感じ取りながらクライアントの状況を深掘りする。オンラインでは難しい雑談やお互いの関係性を深めるアプローチ、その場での対応力こそが信頼感につながります。事務作業を効率化しつつ、人間ならではの「関係構築」に時間を使っていきたいですね。
編集後記
今回のインタビューは、インターンシップに参加して間もないタイミングでの挑戦でした。最初はとても緊張していましたが、原田さんが終始穏やかに接してくださったことで、予定していた質問を超えて深くお話を聞くことができました。 インタビュー終了後に伺った社労士資格取得しようと考えた経緯や勉強方法なども大変興味深く、勉強になりました。
この度はお忙しい中、温かくインタビューに応じてくださり、本当にありがとうございました。
